★★ 獵兵 ★★ shafistar, rangers → 部隊一覧
林務官・森林看守・森番・獵師の子弟や牧童・土着民を狙撃兵として訓練した遊動(レンジャー)部隊です。
輕装備の小部隊で、待ち伏せ精密狙撃(主に敵の指揮官、重火器射手を倒す)、強行偵察、奇襲、敵地潜入・攪亂、敵奇襲部隊の殲滅、騒擾鎮壓など、きめの細かい特殊戰闘に從事します。
また補助憲兵として、武装憲兵隊の役目もします。司令部警備、宿營候補地の偵察、避難民保護、戰場交通整理、占領地の治安維持、暴徒鎮壓、重武装犯罪兵の逮捕、捕虜の護送・収容など、正規憲兵を助けて活躍します。
各軍に「獵兵旅團」1箇があり、「獨立獵兵大隊」と「獵騎兵聯隊」各1箇という編成です。各軍の守備地の地形により、森林、湖沼、砂漠、山地、寒地、熱地など特殊な訓練を受けます。その他に獨立した「山嶽獵兵旅團」(獨立山嶽獵兵大隊と山砲兵聯隊)「降下獵兵旅團」(滑空艇・飛行船搭載部隊、落下傘部隊)が各1箇あります。
□獵歩兵 shafistar per pied, foot rangers
徒歩にて行動する獵兵。歩兵と同じですが、行進のしかたや隊形に獨特なものがあります。輕歩兵なので、通常の行進は驅足、隊形は散開となります。一般の歩兵部隊も昔はこの類の輕歩兵中隊を編成して方陣の両脇に配置し、強行偵察、遊撃、側面援護などに使用していました。そのうち戰闘方式が散開戰術を主とするようになったので、方陣を組んでいた戰列歩兵は悉く輕歩兵化してしまいました。生き残ったのは普通の歩兵では眞似のできない遊撃戰を得意とする獵歩兵でした。
歴史上の獵兵
隊列から離れて散開し狙撃する輕歩兵(向うに本隊の密集陣が見える)

彼我輕歩兵の銃撃戰
輕歩兵中隊には小柄で狙撃の巧な兵士が集められた

18世紀北帝國ホーキンハム施条銃聯隊の射撃練習
同上突撃練習
森林獵兵の敵行李襲撃
現下の獵歩兵
狙撃兵分隊
□獵騎兵 shafistar per cheval, mounted rangers
乗馬して行動する獵兵。前時代の輕騎兵と同じですが、狙撃銃を携帯するところが違います。馬は350kg程度の俊足細身のアラブ産が使われ、騎手は輕快な動作を確保する為に兵器・装備ともで70kg以下でなければなりません。高速偵察装甲車(全輪驅動)に搭乗して行軍部隊の前方を疾驅し索敵する中隊と、本物の軍馬に跨って、車輌の進入できない森林や山地を自在に行動する乗馬中隊とで獵騎兵聯隊は編成されます。
騎兵刀の教練
獵騎兵の戰闘
□砂漠獵兵 desert chafistar, desert rangers
砂漠地帯を管區内に持つ軍の獵兵旅團は、砂漠獵兵と呼ばれ、装備も砂地用偵察自動車や乗馬の代わりに駱駝を使用したりします。
駱駝に乗った獵兵

駱駝獵騎兵の戰闘
□山嶽獵兵 mont shafistar, mountain rangers
險しい山地で行動する獵歩兵で、断崖登攀(ロッククライミング)やスキーによる迅速な移動で奇襲するのが得意です。この前の戰争では、國境の山嶽地帯に立籠った山嶽兵旅團が1年間に亘り敵の執拗な攻勢を撃退し続けた實績があります。山地に近い一般の歩兵師團も山嶽戰の訓練を受けますので、これと協力して、山嶽要塞を根拠地に堅固な阻止戰を展開します。また特別に山砲兵聯隊も配属されて神出鬼没の砲撃戰を行います。敵軍は山嶽地帯を攻略しようとすると、膨大な兵力と勞力を注込まなければいけないので、たいへん消耗します。それを避けると、反對に山嶽地帯からの攻撃を受け、兵站線などの後方を脅されます。このため山嶽獵兵旅團は戰争の成行に大きく影響する兵力で、ちょうどスイス軍の存在と似ています。
山嶽獵兵の戰闘
18世紀アルキチェンモント大公の山嶽獵兵
□降下獵兵 elaer shafistar, parashuters
飛行軍の輸送部隊によって戰場に急派され、パラシュートで降下奇襲する獵歩兵です。輸送飛行機の他に飛行船もよく使われます。飛行機からの降下は部隊が分散してしまいます。緩速で進む飛行船から降下すると部隊が集中した状態で着地するので、奇襲効果のあがる場合があるからです。降下獵兵の奇襲に続いて、一般の歩兵部隊が輸送飛行機、輸送飛行船、グライダーにて着陸展開し、占領地の擴大・確保を行います。降下獵兵は訓練・装備ともにお金のかかる兵種なので、あとは歩兵部隊に任せて、すぐに引揚げます。
敵地橋梁の奇襲占領
閲兵行進
□特殊獵兵
この他に各獵兵旅團では、それぞれの駐屯地の風土に合せた特殊戰闘中隊を持っており、市街戰中隊、湖沼中隊、密林中隊、洞穴中隊が知られています。また植民地軍にも研究中隊が派遣されており、リゾネシアと南洋委任統治領の熱地中隊、遠東租借地の寒地中隊もあります。さらに敵軍の兵士に假装して前線の後方攪亂を行う秘密部隊も歩兵學校で訓練を重ねています。
《獵兵の特徴》
常に最前線に於いて浸透・遊撃を行う兵科なので其の損耗率は飛行兵科の空中勤務者に次いで高く、兵士には他科に倍する高度な戰闘能力が求められます。しかし飛行兵に比べて地味な秘匿任務が多く世間には其の活躍振が餘り知れ渡っていません。然し過去の戰例には獵兵部隊の活躍により戰機が轉換する局面が多く見られ其れが獵兵の鞏固な團結と高い士氣の源となって居ます。