【諜報機關】
多數の間諜(スパイ)が國内外に駐在しており必要な秘密情報を調査する。
金品便宜の供與、脅迫、欺瞞戀愛等あらゆる手段を驅使して協力者を獲得し之を駆使してスパイ網を張り巡らせるが、全貌は慎重に隠蔽されており、互いに誰がどう繋がっているのか分からないようになっている。例えば一人の間諜が命令・聯絡を受けるのは只一人の代理人であるが、それはどこの諜報機關由来であるのかは間諜本人はおろか、代理人にさえ知らされていない。從って敵方の摘發により間諜が捕縛されると代理人の連なる聯絡系統は互いに關係を清算し間諜組織は一瞬の内に消滅するようになっている。
調査の對象となる團體の樞要な地位を占める人物が實は協力者であったりするが、なかには協力者の振りをして當方の諜報活動を逆探知したり偽情報を提供する二重間諜も日常茶飯事で、其の二重間諜が實は敵方を欺く為の偽装であって我が方の協力者であると云う三重間諜など、何重もの錯綜した關係が實在している。
★ 秘密警察委員會 (直属命令者:國家元首)
國家元首直属の行政委員會で、他の諜報機關に属さない諜報活動を展開する。優秀な秘密工作員を擁し、あらゆる國家機密を掌握しており、熾烈な國際諜報戰の最前線にあって聯合共和國の安寧維持に貢献している。
幹事官房(調査の立案、装備の管理開發。國家諜報活動の頭脳部分。)
調査部(内部監察、多重スパイの摘發に威力を發揮。蒐集した秘密情報を整理分析し、報告書を作成。高度なスパイ學校を持つ。)
信號部(無線電氣信號の傍受、有線電氣信號及び電話の盗聴、交信解析・逆探知、電波妨害。陸海軍の信號部隊の分遣を受け、また内務省逓信局の協力を得る。)
暗號部(暗號統制、暗號解讀。大學の數學教室と人材交流を行っている。)
工作部(秘密工作の立案、秘密情報の調査、謀略、人物の追跡・監視・拉致・尋問・拷問、秘密工作・謀略を行う實行部隊)
防諜部(間諜・多重間諜の調査・摘發。特に内務省警察・陸軍憲兵司令部の手が及ばない政官財界・宮中の奥深い内部に監視網を巡らせている。)
諜報第一部(内國・支邦・假想敵國・緩衝國を對象とする諜報活動)
諜報第二部(歐洲・米洲・中東・亜細亜・阿弗利加を對象とする諜報活動)
★ 外務省政務局 (直属命令者:外務大臣)
外國情報の合法的蒐集分析を行う。どの國が、どういう場合に、どのような對外政策を取るかを豫測し、その分析基礎となる内政・民情・經濟情勢を詳細に把握している。全世界に駐在公館を設け、大公使領事商務官等を派遣。殆どの公館員が秘密警察委員會の要員ないし協力者であるのは公然の秘密。
★ 陸軍参謀本部第二部 (直属命令者:陸軍参謀總長)
軍事情報の蒐集分析を行う。在外公館に駐在武官を配置し、また他國どうしの紛争あらば觀戰武官を派遣し、交戰地・殖民地・保護國・占領地・假想敵國・緩衝國に秘密特務機關を設置して諜報活動及び特殊工作を實行。陸軍の各軍参謀部情報課が自軍管區に接する陸地國境線に沿う情報活動を分擔し、工兵團は隷下の信號工兵部隊の一部を信號傍受及妨害作業に分遣する。飛行軍の觀測飛行部隊は秘密裡に外國領空を侵犯し軍事施設の空中撮影を行う。
情報課(分析・北方・東方・西方・南方・殖民地・海外・地圖の諸班があり、全世界の軍事情勢・兵要地誌の掌握を行う)
特務課(諜報・謀略・防諜・科學諜報・教育の諸班があり、秘密軍事情報の蒐集・秘密特殊工作の實施・敵方間諜の摘發・機密漏洩防止・諜報兵器の管理・間諜要員の教育を行う)
信號課(信號・暗號・暗號解讀・信號傍受の諸班があり、陸軍通信網の管理・暗號統制・敵方暗號解讀・軍事通信傍受・通信妨害を行う)
大公使館附武官
特務機關
★ 海軍本部幕僚第二部 (直属命令者:海軍本部長)
海事情報の蒐集分析を行う。殊に外國海軍の海上戰闘能力・海上兵力展開に關する情報探知に優れている。在外公館に駐在武官を配置し、また交戰する國あらば觀戰武官を派遣し、交戰地・殖民地・保護國・占領地・假想敵國・緩衝國に秘密特務機關を設置して諜報活動及び特殊工作を實行。
情報班(軍事諜報)
通信班(通信・暗號)
大公使館附武官
特務機關
【防諜機關】
★ 内務省警保局 (直属命令者:内務大臣)
國内治安に必要な秘密情報の蒐集分析を行う。全警察を指揮して治安維持上注意を要する政治・思想・宗教・在留外國人外地人・秘密結社の諸團體及要人の動向に就き綿密な監視体制を組んでいる。秘密警察委員會が主に對外諜報活動を行うに對し内務省警察は國内防諜を専門に行い、情報活動の片翼を擔う。
保安課(監視を必要とする團體・要人を扱う)
外事課(出入國管理・旅券發給・在留外國人外地人の登録及監視)
全國の州縣警察部に高等警察・外事警察の支部が設けられており、網羅的且つ綿密な監視体制が張巡らされている。警察の設置されていない外地では憲兵隊が同様の機能を持っている。内國に於ける間諜の摘發は殆どの場合、警察及び憲兵隊の手により行われる。
★ 憲兵司令部 (直属命令者:陸軍大臣)
3箇あり(内地1箇外地2箇)、陸海軍の軍事警察を指揮する。全憲兵隊に防諜支部を置き、内務省警察の及ばない軍隊・外地・占領地・戰場に於ける防諜活動を行う。殊に戰時は戰線に進出して後方治安維持に任ずる。
高等課(内務省警察の保安課・外事課に該當。内地に於いては時に内務省と競合する事があるが、外地・占領地に於いては主導的立場にある。隷下憲兵隊に支部を設けて綿密な防諜活動を實施している。)
【宣傳機關】
報知委員會 (直属命令者:國家元首)
國家元首直属の行政委員會で、國内外の與論誘導、政略宣傳を行う。假想敵國向けの謀略放送局は有名である。主要な文化團體文化人及び興業主の殆どは此の委員會の協力者であり、なかには相當の資金供與を受けている場合もある。
幹事官房(外國の論調を分析し、對外報道の方針を決定し、對外報道・文化活動を行っている。國内外の報道を網羅的且つ詳細に蒐集・分析する部門を持ち(書記課査閲掛)、秘密裡に外國の報道・文化交流機關及有力文化人に資金を提供して之を操縦(書記課補助金掛)、特定國の世論を誘導する工作を實施している。外國に於ける協力者・工作者の獲得・養成を秘密裡に行い、假想敵國の反政府勢力に大量の資金を流し、破壊活動・騒擾・暴動・争議・怠業・人心攪亂などの積極的謀略工作を實施している。(書記課工作掛)
第一部及第二部(如何に假想敵國が悪逆非道であるかを宣傳する報道記事・出版物・演劇・映畫・映像を製作して國内外に配布、また敵の志氣を低下させる謀略放送局を常設し、國内外に於いて謀略目的の傳單散布、流言蜚語の流布、人心誘導、などを行う。)
實務を擔う報知委員會幹事(勅任待遇事務官)
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