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★★補充兵教育隊編成★★

【編成】
   部隊兵卒の補充は主に「補充兵」によって埋められます。いつでも補充できるように後方に補充兵をプールしておき、その待機期間中は不足していた訓練を行って練度をあげるために、「補充兵教育隊」を兵站主地に編成してあります。補充兵の教育は、内地兵営に召集された第二補充兵役の場合、最短が2週間と短期なので、戦地で暫く実戦部隊への配属を保留して訓練を施し、なるべく能力を上げておこう、と云うのです。大規模な戰闘が無い時は、その目的を達する事ができますが、戰闘が続き前線の損耗が激しいと、内地から来た補充兵は教育隊を素通りして直接に前線部隊へ送り込まれてしまうことがあります。そのため未熟な補充兵に損害が集中し、さらに大量の補充兵を直接に部隊へ送り込む、と云う悪循環が生じます。また逆に戰役が短く済んでしまうと、補充兵教育隊で過しただけで内地に凱旋すると云う補充兵も現れます。
補充兵のほかに事故兵(戰地恢復の傷病者、出獄兵など)や待機兵も受入れます。現役・豫後備役などあらゆる役種が混合しています。  → top
【機能】
(専ら歩兵で編成します。特殊な技術を要する騎兵・砲兵・工兵など特科の補充兵は兵站守備兵力の諸團隊に配属され、前線部隊への補充はそこから転属の形で行われます。
補充隊の規模は、軍隷下にある歩兵定数の約2割(2補充分)です。部隊の損害が定員数の1割以上になると補充を受ける事ができるため、このような勘定の仕方になっています。
編成には大隊本部が欠けており、ただ単に中隊が連なっているだけです。前線の聯隊は特定の2箇中隊から補充を受けます。この2箇中隊は内地の1箇補充隊に対応しており、将校以下すべて同一聯隊の出身者で占められています。すなわち補充兵教育隊の2箇中隊は、聯隊の内地と前線を繋ぐ補充兵の中間プールとなっているわけです。外国軍で「行軍大隊」marsh battalion と呼ぶのが、これに該当します。補充兵が本隊に追及するために仮に隊を組み纏まって行軍するので、このような名称がついたのだと思われます。
さて兵站守備兵力の獨立歩兵、後備歩兵、國民歩兵は前線部隊と違い損耗が少ないので、補充兵教育隊を経由せずに、内地の補充隊から直接に補充を受けます。)
武装は前線部隊と全く同じです。これは兵站管區の警備も兼ねているからです。
教育要員は前線部隊から轉属してきた實戰經驗者からなっているので、戰地の実情にあわせた訓練ができます。  → top
編成例:

補充兵教育隊本部(指揮班)
   陣營掛(經理班、兵器班、軍醫班、宗務班)
歩兵第1聯隊補充用
      第1中隊本部(指揮班)
         第1〜3小隊
         第4小隊(重火器)
      第2中隊
歩兵第2聯隊補充用
      第3中隊
      第4中隊
歩兵第3聯隊補充用
      第5中隊
      第6中隊
歩兵第4聯隊補充用
      第7中隊
      第8中隊
歩兵第5聯隊補充用
      第9中隊
      第10中隊
歩兵第6聯隊補充用
      第11中隊
      第12中隊
歩兵第7聯隊補充用
      第13中隊
      第14中隊
歩兵第8聯隊補充用
      第15中隊
      第16中隊   → top


☆分隊(12名)kaporalar, squad  → top

分隊長兼助教(伍長)
教育掛助手3(上等兵)、一等卒ないし二等卒8


☆ 小隊(50名)peloton, platoon  → top
小隊長兼教官(中尉・少尉・少尉補・准尉のいずれか)、傳令卒、從卒
小隊付兼先任助教(軍曹)

【分隊】
第1〜4分隊(48名)


☆ 中隊(235名)kompani, company  → top

【中隊本部】(35名)
中隊長(大尉)、傳令卒、從卒

《指揮班》
班長兼功績掛(特務曹長)、傳令卒、從卒
   乗馬傳令卒、喇叭手、鼓手、笛手
      斥候手、斥候卒4
      信號手、信號卒4
   給養掛(曹長)、傳令卒
      炊事手、炊事卒、炊事車馭卒(輜重輸卒)、同助手(輜重助卒)
      縫工卒、靴工卒
   兵器掛(軍曹)、銃工卒
   看護手、看護卒4

【小隊】(200名)
第1〜4小隊  → top


☆補充兵教育隊(3,875名)  → top

【本部】(115名)
隊長(大佐)、傳令卒、馬卒、従卒

《指揮班》(72名)
副官(大尉)、傳令卒、馬卒、従卒
   書記(曹長)、傳令卒
   喇叭長(軍曹)、鼓手、笛手
   乗馬傳令長(軍曹)、乗馬傳令卒8
   斥候長(軍曹)、斥候卒8
   軍犬長(軍曹)、軍犬卒2
   信號長(軍曹)、傳鳩卒3、暗號卒6、電話卒16、無線信號卒16
乗馬傳令・斥候・軍犬卒・傳鳩卒・暗號卒・電話卒・信號卒は、軍司令部の設置するそれぞれの臨時教育班に分遣されて教育を受けます。そこには他隊の兵員も来ています。

陣營掛将校(少佐)、傳令卒、馬卒、従卒

《經理班》(27名)
一等主計、傳令卒、馬卒、従卒
   二等計手、傳令卒
      二等炊事長、炊事手、炊事卒、炊事車馭卒(輜重輸卒)、同助手(輜重助卒)
   二等縫工長、縫工手、縫工卒4
   三等靴工長、靴工手、靴工卒4

《兵器班》(16名)
兵器掛(上等工長)、傳令卒、馬卒、従卒
   二等銃工長、銃工手3、銃工卒8

《軍醫班》(50名)
一等軍醫、看護卒、馬卒、従卒
二等軍醫3、看護卒3、馬卒3、従卒3
   二等看護長、看護手3、看護卒8、擔架卒16
   三等磨工長、磨工手、磨工卒4

《宗務班》(19名)
輔祭長、傳令卒、馬卒、従卒
輔祭3、傳令卒3、馬卒3、従卒3
   従者、傳令卒、聖歌手

【中隊】(3,760名)
第1〜16中隊  → top