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野戰製麺麭廠の部隊編成を解説します。

  →麺麭焼分隊 panfarad kaporalanad, baker unit
  →製粉分隊 farunfabrikad kaporalanad, grain unit
  →器材分隊 il kaporalanad, materials unit
  →小隊 sekci, section
  →製麺麭中隊 panfarad kompani, baker company
  →製麺麭縱列 panfrad trayn, baker train
  →廠 panfaradey, bakery

★★野戰製麺麭廠編成★★

   野戰製麺麭廠は軍兵站監部の隷下にあり、軍将兵の主食である麺麭を製造し配給します。保存が利く堅い重焼麺麭を専ら焼きます。通常は兵站監部の所在する兵站主地に在りますが、必要に応じて4箇支廠の派出が可能です。製麺麭中隊と製麺麭縱列それぞれ1箇よりなり、製麺麭器材と麺麭材料の穀粉を携帯します。現地で購入ないし徴發した穀類を製粉する作業もこなします。竈を効率的に使おうとして昼夜兼行で作業するため、隊員は交代で働きます。以下の説明では、他兵科の編成と重複するところは省略してあります。
編成例:

野戰製麺麭廠本部(指揮班、經理班、行李、軍醫班、宗務班)
   製麺麭中隊本部(指揮班、給養班、器材班)
      第1小隊
         第1製麺麭分隊
         第2製麺麭分隊
         第3製麺麭分隊
         製粉分隊
      第2小隊
      第3小隊
      第4小隊
   製麺麭縱列本部
      材料小隊(穀粉、麺麭種)
      給水小隊
      燃料小隊
      器材小隊(竈材料、器械部品、梱包材料、大行李)


☆麺麭焼分隊(12名) (→top)
分隊長(三等製麺麭長)、製麺麭手3、製麺麭卒8
[車輛]
中型自働貨車3(麺麭焼竈2、自働捏粉器)
麺麭焼竈1箇にて、一日2,000食分を製造できます。必要な材料(穀粉、水、油、麺麭種、燃料)は製麺麭縱列の輜重車が配属され、輸送・補充を行います。麺麭は麦を主体に雑穀を混合した重焼堅麺麭で、長期保存が利き栄養価も高いのですが、古くなると決して食べやすいとは云えなくなり(煉瓦のように堅くなる)、兵隊さんはそれぞれ油で揚げたり、粉にしてスープに混ぜたり、工夫して食べます。
☆製粉分隊(12名)  a href="#top">(→top)
分隊長(三等製麺麭長)、製麺麭手3、製麺麭卒8
[車輛]中型自働貨車3(自働製粉器2、自働脱穀器、梱包器)
現地調達の穀物の脱穀・製粉をします。製品は製麺麭縱列の輜重車に積載して麺麭焼分隊に補充し、余った分は兵站倉庫や野戰倉庫に貯蔵します。
☆ 小隊(60名) (→top)

小隊長(二等主計・三等主計・准主計・主計補のいずれか)、傳令卒、馬卒、從卒
小隊付(二等製麺麭長)、看護卒
電工手、電工卒2
機工手、機工卒2
[車輛]二輪自働車(傳令用)、側車付二輪自働車2(小隊長・看護卒用)、小型乗用車(小隊長用)、工作車2、強發電車、中型自働貨車(照明器材)

【第1〜3麺麭焼分隊、製粉分隊】(48名)


《小隊長》sekci chef, section chief(二等主計・三等主計・准主計・主計補のいずれか)
製麺麭材料の準備、製麺麭作業、麺麭の檢査・梱包・貯蔵・配給を指揮監督し、一日に12,000食分の麺麭を製造します。製麺麭縱列の輜重車の配属を受け、これに必要材料を積載して携行します。通常は兵站主地の兵站倉庫に隣接して展開し、中隊でまとまり作業をしますが、必要に応じ小隊単位で支廠を編成して獨立師團や支隊に分遣されます。  a href="#shotai"> →top
☆ 製麺麭中隊(290名) →top

【中隊本部】(35名)
中隊長(一等主計)、傳令卒、馬卒、從卒
[車輌]二輪自働車(傳令用)、側車付二輪自働車(中隊長用)、小型乗用車(中隊長用)

 《指揮班》(12名)
指揮班長(上等製麺麭長)、傳令卒、馬卒、從卒
信號手、信號卒3
喇叭手(上等兵)、鼓手、笛手
看護手
[車輌]二輪自働車(傳令用)、側車付二輪自働車2(班長・看護手用)、小型乗用車(班要員用)、信號車(信號用)

 《給養掛》(8名)
給養掛(一等製麺麭長)
縫工卒、靴工卒
炊事手、炊事手、炊事卒、馭卒(輜重輸卒)、同助手(輜重助卒)
[車輌]中型自働貨車(給養掛・縫工・靴工用)、炊事車

 《器材班》(11名)
三等電工長、機工手
  電工手、電工卒4
  機工手、機工卒4
(馬匹編成時、蹄鐵工・鞍工を増加する)
[車輌]小型乗用車(班長用)、工作車5、器材車5

【第1〜4小隊】(240名)  →top


中隊長 kompani chef, company leader(一等主計)
4箇小隊を指揮して軍に一日4,8000食分の麺麭を製造供給します。

☆ 野戰製麺麭廠(2,035名)

【本部】(50名) →top

廠長(三等主計正)、傳令卒、馬卒、從卒
[車輌]二輪自働車(傳令用)、側車付二輪自働車(廠長用)、中型乗用車(廠長用)

 《指揮班》(14名)
副官(二等主計)、傳令卒、馬卒、從卒
書記(一等製麺麭長)、傳令卒
信號長(伍長)、信號手(上等兵)、信號卒、傳鳩手(上等兵)
喇叭長(伍長)、喇叭手(上等兵)、笛手
軍犬卒
[車輌]二輪自働車2(傳令用)、側車付二輪自働車(副官用)、中型乗用車(副官・書記用)、小型自働貨車(移動犬舎)、信號車

 《經理班》(17名)
二等主計、傳令卒、馬卒、從卒
三等計手、傳令卒
二等縫工長、縫工手、縫工卒
三等靴工長、靴工手、靴工卒
三等炊事長、炊事手、炊事卒、炊事車馭卒(輜重輸卒)、同助手(輜重助卒)
[車輌]二輪自働車(傳令用)、側車付二輪自働車(主計用)、中型乗用車(主計・計手用)、炊事車、工作車2(縫工・靴工用)

 《軍醫班》(9名)
二等軍醫、看護卒、馬卒、從卒
三等看護長、看護手、看護卒
磨工手、磨工卒
[車輌]二輪自働車2(傳令用)、側車付二輪自働車2(軍醫・看護手用)、中型乗用車(軍醫・看護長用)、小型自働貨車(衛生材料用)

 《宗務班》(6名)
輔祭、傳令卒、馬卒、從卒
従者、聖歌手
[車輌]二輪自働車(傳令用)、側車付二輪自働車(輔祭用)、中型乗用車(輔祭・從者・祭具用)

【第1〜4中隊】(1,160名) →top


【製麺麭縱列】(825名)
編成は輜重兵縱列に同じ。
製麺麭に必要な材料を運搬します。食材(穀粉、油、麺麭種)、水、燃料、固定式竈材料、諸器械部品、大行李に分れており、それぞれが製麺麭分隊や製粉分隊に付随して材料を運搬する勤務と、兵站倉庫ないし野戰倉庫から材料を運搬してきて補充する勤務とに分れています。製造した麺麭は兵站糧食縦列や部隊大行李が直接に製パン中隊まで取りにきます。輜重兵大隊で編成して野戰製麺麭廠に分遣する部隊なので、製麺麭作業はしません。 →top
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