→ top


重爆撃飛行兵の部隊編成を解説します。

  →重爆撃機 pez bombardanoy, heavy bomber crew
  →中隊 skuadron, squadron
  →聯隊 regiment, group
★★重爆撃飛行兵編成★★

戰略爆撃部隊です。高々度を敵地の奥深く侵入して、根拠地を爆撃し兵站能力を減殺します。さらに兵器工場や交通施設を爆撃し、軍需生産を阻止します。また都市を爆撃して敵國民の士気阻喪を狙います。損害を避けるために通常は夜間航行をします。昼間航行は強行すると全滅の可能性もありますから、余程の重要目標か完全に制空権掌握下にあるかでなければ行いません。以下の説明では、他兵科の編成と重複するところは省略してあります。
編成例:

聯隊本部(指揮班)
    第1中隊本部(指揮班、第1豫備重爆撃機)
      第1〜8重爆撃機
      整備小隊
      發著場小隊(給養掛、小行李)
    第2〜6中隊
  根拠地陣營(指揮班、經理班、器材廠、軍醫班、宗務班、大行李、土工班)


☆重爆撃機乗組員(10名)pez bombardanoy , heavy bomber crew(重爆撃機1) → top
重爆撃機: 機長兼第1操縦手(中尉・少尉・少尉補・曹長)、第2操縦手(軍曹)、爆撃手(伍長)兼前方左機關銃手、航空手(伍長)兼前方右機關銃手、信號手(上等兵)、機關手兼背部機關銃手(上等兵)、 右側部機關銃手(一等卒)、左側部機關銃手(一等卒)、下部機關銃手(一等卒)、尾部機關銃手(一等卒)


☆ 重爆撃機の乗組員構成は、以下のとおりです。

《機長兼第1操縦手》pilot, pilot (飛行兵中尉・少尉・少尉補・曹長)

重爆撃機は、大量の爆彈を携行して、長距離を高々度で航行し、目標地域を爆撃します。目標を狙撃ちする精密爆撃と、一定の範囲に滿遍無く投彈する絨毯爆撃があります。彈種は榴弾、焼夷弾など各種あります。敵の高射砲陣地や迎撃機群に捕捉されると非常な損害を蒙ります。針鼠のように武装し、更に緊密な大規模編隊を組んで防御死角を無くすように工夫しています。機長は自分で機體を操縦しながら乗組員を指揮します。被彈して墜落或いは空中破壊となると判断すれば、最後まで操縦を行って機を安定させ、全乗組員の脱出を確認してから機を放棄します。寫眞→ 甫式機の主操縦席(前方は對破片硝子塔内の爆撃手席と前方機關銃座、右廊下は通路) → top

《第2操縦手》2a pilot, 2nd pilot(飛行兵軍曹、飛行兵學校下士候補中隊下士教程修了) 機長の横に並んで座っており、操縦を補佐し、計器類の監視をします。機長が操縦を離れる時には、代って操縦します。操縦装置は機長用と第2操縦手用が二重に備えてあり、スイッチで切替ります。機長が戰死した時は替って指揮を執ります。 → top

《爆撃手》bombardist, bombardier(飛行兵伍長、飛行兵學校空中爆撃術練習所爆撃手教程修了) 機首に位置します。機が爆撃目標に近づくと、機長は機を水平に保ちます。爆撃手は照準装置を覗きながら地上目標の上で彈倉を開き投彈します。編隊先頭の中隊長機の爆撃手になると、その投彈によって全編隊が一斉に投彈を「開始するので責任重大です。爆撃時以外は機首右にある機關銃手として敵機の撃退をします。 → top

《航空手》aviacist, aviater(飛行兵伍長、飛行兵學校空中觀測術練習所航空手教程修了) 機首に位置します。機を爆撃目標に向かって誘導します。航空地圖と方位盤をもとに、いま航路のどこを飛行中かを常に計算して機長に報告します。また「航空記録」に機の行動を記入します。編隊先頭の中隊長機の航空士になると、その誘導によって全編隊が動くので責任重大です。また帰路、我が制空権掌握地域に入ると編隊を解いて単機で發著場を目指すので、航空手が単独で針路をしっかり測定しなければなりません。敵機来襲時には、機首左にある機關銃手としてその撃退に努めます。 → top

《信號手》signalist, signalman(飛行兵上等兵、飛行兵學校空中信號術練習所信號術修了者) 空中電氣信號器を調整し、機内外の通信接続を確保します。中隊長機の信號手になると、編隊全機の通信を統制します。「航空通信記録」に重要な通信内容を記入します。敵機来襲において、被弾故障などで機關手(兼背部機關銃手)が多忙となった時は、代りに背部機關銃座に着きます。 → top

《機關手》mashinist, mechanics(飛行兵上等兵、飛行兵學校飛行機整備術練習所機關手教程修了) 發動機と補機の機上整備(油槽・機體・配管・配線修繕を含む)をします。離陸後の點檢と整備も缺かせません。地上整備兵が見落した箇所が無いか、飛行中に具合の悪くなった機器は無いか、見て廻ります。操縦席の電氣制御が損傷した時には、手動で制御操作を行わなければならず、機關手は各種の弁や轉輪を動かして、大忙しとなります。例えば油槽が被彈して燃料が洩れ始めると、至急に電動ポンプで燃料を吸上げて他の油槽に移しますが、電氣系統が故障すると手でポンプの辨を廻す事になります。着陸時に車輪が出なかったり、旋回銃座が廻らなくなったりすると、その復舊に掛りきりとなります。敵機来襲の際は背部機關銃手として銃座に着きますが、應急整備が必要となった時は、そちらに馳けつけ、信號手が代理で銃座につきます。 → top

《機關銃手》shafist, machine gunner(飛行兵一等卒、空中勤務機關銃手修業者)

敵機の襲撃に對抗するために、機體の要所に機關銃座が配置してあります。前方2、背部1、側部左右に各1、下部に1、尾部に1です。高速の戰闘機でも計7基の機關銃に対抗するのは容易なことではありません。列強の重爆撃機は銃座3が普通ですが、飛行兵監部の武装方針により航空機廠では輸入機であっても改造して銃座を増強してしまいます。前方銃座と下部銃座は對破片硝子に覆われていていますが、他の銃座は吹き晒しです。機關銃は聯装が多く、藥莢入れの袋が附いています。背部と下部は旋回式で、ことに下部銃座はゴンドラが機體の下にぶら下がっていて、そこに銃手が嵌まり込んで座るようになっています。舊式の重爆撃機を支給されると銃座が少なくなって、余った銃手は控員として地上に残ります。寫眞 右から→ 背部銃座(保式聯装)、前部座銃座(37mm機關砲)
寫眞 下 右から ↓下部銃座、銃座塔
 → top


☆ 中隊(305名)aviadar, flight → top

【中隊本部】(44名)
中隊長(大尉)、傳令卒、馬卒、從卒

《指揮班》(40名)
指揮班長(特務曹長)、傳令卒、馬卒、從卒
  喇叭手(上等兵)、傳令卒
發著掛(曹長)
  發著手(上等兵)、發著卒2
氣象掛(軍曹)
  氣象觀測手(上等兵)
信號長(伍長)
  信號手、信號卒3
  暗號手、暗號卒2
斥候手(上等兵)、斥候卒2
對空機關銃長兼觀測手(上等兵)、射手(上等兵)、装填手、彈藥手兼操縦手、彈藥手兼信號手、彈藥車馭者
軍犬卒、馭卒(輜重輸卒)
搭乗将校准士官附傳令卒3、馬卒3、同從卒3
[車輛]
小型乗用車2(中隊長・指揮班長用)、側車付二輪自働車2(同)、自働二輪車3(傳令用)、中型乗用車(指揮班用)、信號車、輕装甲偵察車(斥候用)、自走對空聯装重機關銃、同彈藥車、小型自働貨車(軍犬用)
[航空機]
 第1豫備重爆撃機

【整備小隊】(156名)
小隊長: 一等機工長(兵器部員)、傳令卒
機附整備長: 二等機工長8(兵器部員)、傳令卒8
機體班: 三等機工長(兵器部員)、機工手8(同)、機工卒8
發動機班: 三等機工長(兵器部員)、機工手8(同)、機工卒8
電氣班: 三等電工長(兵器部員)、電工手8(同)、電工卒8
工作班: 三等鍛工長(兵器部員)、鍛工手8(同)、鍛工卒8
     木工手(兵器部員)、木工卒
     三等鞍工長(兵器部員)、鞍工手8(同)、鞍工卒8
補機班: 機工手(兵器部員)、機工卒
壓縮機班: 電工手(兵器部員)、電工卒
自働車輛班: 機工手(兵器部員)、機工卒
飛行場器材班: 機工手(兵器部員)、機工卒
倉庫班: 機工手(兵器部員)、機工卒
彈藥班: 三等火工長(兵器部員)、火工手8(同)、火工卒8
馭卒24
[車輛]
側車付二輪自働車9(傳令用)、工作車8、器材車8、彈藥車8

【發著場小隊】(35名)

《指揮班》(6名)
  小隊長(准尉)、傳令卒、馬卒、從卒
信號卒、看護手(軍醫部員)
[車輛]
小型乗用車(小隊長用)、側車付二輪自働車2(小隊長・看護手用)、二輪自働車(傳令用)

《給養掛》(8名)
給養掛(曹長)、傳令卒
縫工卒、靴工卒
炊事手、炊事卒、馭卒(輜重輸卒)、同助手(輜重助卒)
[車輛]
二輪自働車(傳令用)、中型自働貨車(被服材料・工具用)、炊事車

《小行李》(21名)
輜重兵上等兵、輜重兵一等卒4、輜重輸卒16
[車輛]
二輪自働車5(輜重監視用)、小型自働貨車16

【重爆撃機】(80名)
第1〜8重爆撃機
 
→ top


《中隊長》skuadron chef, squadron leader(飛行兵大尉)
重爆撃機8を指揮して、水兵爆撃を實施します。出撃機が少數の場合は、發著場に位置して搭乗しませんが、全機出撃命令が聯隊長から下ると、自ら搭乗して中隊編隊の指揮を執ります。要員が不足する時は自ら機長を兼ねますが、普通は機長以下乗組定員の揃った機に定員外として乗り、機長席の後部の指揮官席にあって、編隊の組み方や、侵入航路の修正、目標の發見と爆撃實行、撤退時機、帰路の航路など必要な命令を發します。寫眞 右→ 機附整備兵による爆彈の積込作業(並んでいるのは搭載全彈)  → top

☆聯隊(2,115名)flugilar, wing

【聯隊本部】(48名;48重爆撃機、6豫備重爆撃機) (→ top)
聯隊長(大佐)、傳令卒、馬卒、從卒

《指揮班》(44名)
副官(大尉)、傳令卒、馬卒、從卒
發著掛(少佐)、傳令卒、馬卒、從卒
  助手(軍曹)、發著手3(上等兵)、傳令卒
氣象掛(大尉)、傳令卒、馬卒、從卒
  助手(軍曹)、傳令卒
書記2(曹長)、喇叭長(軍曹)、喇叭手(上等兵)、笛手
斥候長(軍曹)、斥候手(上等兵)、斥候卒
信號長(軍曹)、信號手(上等兵)   暗号手(上等兵)、暗號卒2
  信號手(上等兵)、信號卒4
  電話手(上等兵)、信號卒4
  傳鳩手(上等兵)、傳鳩卒
軍犬手(上等兵)、軍犬卒
[車輛]
小型乗用車3(聯隊長・副官・發著掛用)、側車付二輪自働車3(同)、自働二輪車4(傳令用)、中型乗用車2(指揮班用)、輕装甲偵察車(斥候用)、信號車、小型自働貨車2(傳鳩・軍犬用)、中型自働貨車(電話器材用)

【根拠地陣營】(237名) → top

《指揮班》(4名)
陣營掛将校(中佐)、傳令卒、馬卒、從卒
[車輛]
小型乗用車(陣營掛用)、側車付二輪自働車(同)、二輪自働車(傳令用)

 《經理班》(17名)
一等主計(經理部員)、傳令卒、馬卒、從卒
二等計手(經理部員)、傳令卒
二等縫工長(經理部員)、縫工手(同)、縫工卒
三等靴工長(經理部員)、靴工手(同)、靴工卒
二等炊事長(經理部員)、炊事手(同)、炊事卒、炊事車馭卒(輜重輸卒)、同助手(輜重助卒)
[車輛]
小型乗用車(主計用)、側車付二輪自働車(同)、二輪自働車2(傳令用)、縫工車、靴工車、炊事車 → top

 《器材廠》(112名)
兵器掛(大尉)、傳令卒、馬卒、従卒
上等工長(兵器部員)、傳令卒、馬卒、従卒
一等機工長(兵器部員)、傳令卒
機體班: 二等機工長(兵器部員)、機工手(同)、機工卒4
發動機班:二等機工長(兵器部員)、機工手(同)、機工卒4
電氣班: 二等電工長(兵器部員)、電工手(同)、電工卒4
信號器班:二等電工長(兵器部員)、電工手(同)、電工卒4
工作班: 二等鍛工長(兵器部員)、鍛工手(同)、鍛工卒4
     三等木工長(兵器部員)、木工手(同)、木工卒4
火器班: 二等銃工長(兵器部員)、銃工手(同)、銃工卒4
彈藥班: 二等火工長(兵器部員)、火工手(同)、火工卒4
照準器班:二等鞍工長(兵器部員)、鞍工手(同)、鞍工卒4
補機班: 機工手(兵器部員)、機工卒
壓縮機班: 電工手(兵器部員)、電工卒
自働車輛班: 機工手(兵器部員)、機工卒
飛行場器材班: 機工手(兵器部員)、機工卒
倉庫貯油班: 機工手(兵器部員)、機工卒
馭卒40
[車輛]
小型乗用車2(兵器掛・上等工長用)、側車付二輪自働車2(同)、二輪自働車3(傳令用)、工作車14、器材車14、彈藥車6、給油車6 → top

 《軍醫班》(74名)
一等軍醫(軍醫部員)、看護卒、馬卒、従卒
二等看護長(軍醫部員)、看護手、看護卒
  三等看護長、看護手3(軍醫部員)、看護卒12、擔架卒48
三等磨工長(藥劑部員)、磨工手(同)、磨工卒
[車輛]
小型乗用車(軍醫用)、側車付二輪自働車6(軍醫・看護用)、二輪自働車2(傳令用)、擔架車8、中型自働貨車(衛生材料用)

 《宗務班》(6名)
輔祭長(宗務部員)、傳令卒、馬卒、從卒
従者(宗務部員)、聖歌手(同)
[車輛]
中型乗用車(輔祭長用)、側車付二輪自働車(同)、二輪自働車(傳令用)

 《大行李》(21名)
輜重兵上等兵、輜重兵一等卒4、輜重輸卒16
[車輛]
二輪自働車5(輜重監視用)、中型自働貨車8

 《土工班》(3名)
土工長(軍曹)、土工手2(上等兵)
[車輛]
中型自働貨車

【中隊】(1,830名)
第1〜48重爆撃機、第1〜6豫備重爆撃機 → top
第1中隊
 
第2中隊
 
第3中隊
 
第4中隊
 
第5中隊
 
第6中隊
 


寫眞 → 遠距離戰略爆撃途上の重爆撃機





→ 下翼内主爆彈室の着脱式被筒の開きたるを見る


《聯隊長》 regiment chef, group captain(飛行兵大佐)
重爆撃機6箇中隊を指揮し、戰略爆撃を実施します。爆撃目標を設定し、航路を計画し、出撃命令を発し、帰還機から戰果と損害の報告を受け、これらを互いに照合して確認します。人員と爆撃機・器材の補充は大事な仕事です。破損した機は器材廠で速やかに修繕し、その間は豫備機を使用します。交代で1箇中隊を豫備として控置し、乗組員を休養させます。出撃回数が24回に達した乗組員は、地上勤務ないし飛行學校教官・助教に廻して、疲労が限界を上回らないように配慮します。戰略爆撃部隊は出撃すると敵の防空戰闘によって蒙る損耗が激しく、短期間のうちに再び態勢を整えて出撃を繰り返すためには、周到な計畫と多大な努力が必要です。飛行學校の空中爆撃術練習所と嚮導飛行隊に、2箇中隊分の豫備重爆撃機が控置されており、更に航空機廠に1箇聯隊分の重爆撃機が控置されています。重爆撃機聯隊はレミニア飛行軍に7箇しかありませんが、開戦と同時に継続して戰略爆撃を敢行し、損害を顧みず敵の後方を脅かす事ができるのは、このような補給態勢が整っているからです。聯隊長は作戰指揮官として、戦局を左右する戰略爆撃が円滑に進展するよう重要な責任を負っているのです。
寫眞 → 爆撃大隊(4箇中隊強にて編成)の楔形隊形→ top
圖 → 米露両國の爆弾
→ top